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レバナス積立で値上がり幅が2倍?大人気の裏に潜む危険と絶対に知るべき落とし穴!

2022年10月25日 公開 
2023年01月30日 更新

レバナスとは

レバナスとは米国の「レバレッジ型投資信託」という金融商品の一つで、「NASDAQ100」が示す指数の2倍の動きを目指すハイリスクハイリターンのインデックス型投資信託です。

レバレッジの「レバ」とNASDAQ100の「ナス」を組み合わせて「レバナス」と略称して呼ばれます。

レバナス積立は一括で大きな金額を投資するのではなく「毎回決まった金額を、NASDAQ100指数に連動するインデックスファンドに、2倍のレバレッジをかけて運用する積立投資」のことです。

「毎回」の積立サイクルは「毎日」や「毎週」「毎月」など自由に選択できます。

一度で大きな金額を用意する必要がなく、大きな金額を運用できることで人気がある商品です。

レバレッジの考え方

レバレッジとは直訳すれば「てこの原理」となりますが、金融の世界では「担保として預けた証拠金の何倍にも相当する資金を動かして取引できる仕組み」のことを指します。

つまり元手が少なくてもレバレッジを効かせることで、何倍もの大きな資金を動かして取引することができるということになります。

レバレッジを使うことで大きなリターンを狙えるようになる一方、大きな損失も抱えてしまう危険性も内包しているということです。

NASDAQ100とはなにか

NASDAQ100は「ナスダック100」と読みます。

米国のNASDAQ市場に上場している銘柄の中で「金融業を除いた上位100社」の株式で構成された株価指数を指します。

似たようなものに「S&P500」がありますがS&P500は米国企業だけが対象となっているものです。

NASDAQ100は米国企業以外も対象となっており、基準を満たせば新興企業でも採用されることもあり多種多様な業種の企業で構成されます。

株価指数とはなにか

株価指数とは、株式市場の動きをわかりやすくするために「複数銘柄の株価を一定の計算式で総合的に数値化したもの」です。

NASDAQ100に採用されている株価指数は「時価総額加重平均」が採用されています。

時価総額加重平均とは時価総額が大きい銘柄は比重を大きく、時価総額が小さい銘柄は比重を小さくする方法です。

つまり時価総額が大きい大企業ほど「NASDAQ100指数」の構成に多く組み込まれているということになります。

レバナス積立投資のメリットとは

ハイリスク商品で損失の可能性もあるレバナスですが、人気があるということはそれなりのメリットがあるはずです。

レバナスで積立投資を行うことで得られるメリットとはどんなものがあるのでしょうか。

短期間で大きな値上がりが期待できる

NASDAQ100指数は値動きの激しい新興企業が株式の構成に入っていることもあり、価格変動が激しい指数でもあります。

レバナスはそのNASDAQ100指数に更にレバレッジをかけて運用をするため、短期間で何倍ものリターンが見込めることになります。

そのため運用の開始時期によっても見込みリターンは大きく変動します。

例えばコロナショックで大きく株価が下落した2020年3月からレバナスを運用していれば、約1年で5倍近いリターンがあったということになります。

さらに積立による分散投資を行うため、多少株価の値下がりが起こったとしても「ドルコスト平均法」による取得価格の平均化によりリスクを最小限に抑えることができます。

少額からでも始められる

通常株式を買う場合は、100株単位などで購入する必要があるため銘柄にもよりますが、数万円から数十万円の資金が必要になります。

しかしレバナスは「投資信託」です。

少額から積立を始めることができるので、「とりあえずやってみたい」という方でも気軽に始められます。

例えば楽天証券の「楽天レバナス」なら月100円からレバナスへ積立投資が行えます。

※投資信託とは、多くの投資家からお金を集め、それを資金として専門家が投資、運用を行い、それにより得た利益を投資家に分配する金融商品のことです。

レバナス積立投資のデメリット

少額から始められて期待リターン値も高いレバナス積立投資。

ではデメリットはどんなものがあるのでしょうか。

金融商品である以上、元本割れの可能性は必ずありますが、そのほかにレバナスで積立を行うときに不利になることを確認していきましょう。

信託報酬が高い

信託報酬とは「投資信託を管理、運用してもらうために投資信託を保有している間、支払い続ける費用」のことです。

いわゆる手数料と考えていただければ構いません。

レバナスはレバレッジをかけた商品ですので、通常の商品よりも信託報酬が高い傾向にあります。

例えば楽天証券で同じNASDAQ100を扱うレバレッジなしのインデックスファンド(インデックスファンドNASDAQ100)の場合、信託報酬の年率は「0.484%」となっています。

下の表でレバナスの信託報酬を一覧にしました。

同じ楽天証券でも約1.5倍、大和アセットマネジメントでは約2倍の信託報酬となっています。

運用会社商品名信託報酬(年率)
大和アセットマネジメントiFreeレバレッジ NASDAQ1000.99%
楽天証券楽天レバレッジNASDAQ-1000.77%
auアセットマネジメントauAMレバレッジNASDAQ1000.4334%

ところが2022年7月28日にauアセットマネジメントから、信託報酬が低いレバナスが発売されました。

これにより「レバナスは信託報酬が高い」というデメリットが消えたことになります。

指数が元に戻っても損益がプラスに戻らない

通常の指数連動型のファンドは、指数が一時的に下がったとしても元の指数に戻れば損失は無かったことになります。

しかしレバナスは「NASDAQ100指数の2倍の動きを目指す」ファンドです。

そのため、指数が下がった後に元の位置に戻ってきたとしても、損益はプラスに戻らず損失が出てしまいます。

少しややこしいのでひとつづつ計算していきましょう。

まずは下の図を見て下さい。

赤い折れ線がNASDAQ100の指数、緑の折れ線がレバレッジをかけた指数です。

基準日にはどちらも100だったとしましょう。

レバレッジをかけた場合の変化①

1日目に指数が20ポイント下がって80ポイントになりました。

つまり20%の下落です。

するとレバレッジをかけた指数は2倍動きますので40ポイント落ちて60ポイントになります。

こちらは40%の下落です。

ここが重要になります。

2日目になると、指数は20ポイント上がり基準日と同じ値まで戻しました。

しかしレバレッジをかけた指数はその倍の40ポイントの上昇ではなく30ポイントの上昇です。

なぜでしょうか。

1日目に80まで下落した指数が100に戻るためには25%の上昇率が必要になります。

80 × 1.25 = 100

ではレバレッジ指数はどう計算するかと言えば、25%の上昇の2倍、50%の上昇です。

60 × 1.5 = 90

となります。

つまりレバレッジがかかっている場合、指数が元に戻っても損益は0まで戻らずに損失を抱えてしまうということです。

では先にプラスになったときはどうなるのか見てみましょう。

次の図を見て下さい。

レバレッジをかけた場合の変化②

こちらも基準日は100としておきます。

1日目に指数が25ポイント上がって125ポイントになりました。

25%の上昇率です。

レバレッジをかけた指数はその倍、50ポイント上がって150ポイント。

こちらは50%の上昇率です。

そして2日目に指数は元の位置の100まで下落しました。

25ポイントの下落で20%の下落率です。

125 × 0.8 = 100

ということはレバレッジをかけた指数は2倍の40%の下落ということになり、

150 × 0.6 = 90

となってしまいます。

これほどレバレッジをかけた商品というのは乱高下するということです。

また上記の計算から分かる通り、指数がレンジを形成し横ばい状態となってもレバレッジ指数は下がっていきます。

横ばいでも下がってしまうというデメリットは、圧倒的に不利と言えます。

レバナスで積立を行うのは正しいのか

デメリットにあった「損益が元に戻らない」というのを聞くと、レバナスで積立投資を行うことが正しいのか不安になると思います。

積み立てるということも含めて少し深掘りしていきましょう。

レバレッジ商品は長期投資に向いていない

結果から言うと、レバナスは長期にわたり積立を行う積立投資には向いていません。

指数型のレバレッジ商品のデメリットは「指数が元に戻ってもレバレッジ指数は元に戻らない」。

さらには「指数が横ばいでもレバレッジ指数は下落する」ことです。

長期投資を行っていると株価や指数は上下動を繰り返します。

長期間にわたる運用期間の中には暴騰や暴落などは必ずといっていいほど訪れます。

また殆ど動かずに横ばいの期間が長くなることもあります。

レバレッジ型のデメリットをもろに受けてしまった場合、指数は下がっていなくてもレバレッジ指数だけが下がっていたり、暴落後に価格が戻ったとしてもマイナスを取り返せない可能性もあります。

レバレッジをかけた商品というのは、短期的に利益を狙いに行くものだということを覚えておきましょう。

一方的な相場では大きな利益を出すことができる

とはいってもこれだけレバナスが人気だったのは、多くの方が大きな利益を出していたというのがあります。

レバナスは株式相場が一方的に上昇を続ける限り、すごいスピードで資産が積みあがっていきます。

2020年3月の株価暴落以降、2022年の1月まで約2年間にわたり株価は上昇を続けていました。

S&P500や日経225もそうですが、過去最高値を更新するなどわずかな期間でものすごい伸びでした。

そのような相場ではレバレッジをかけたレバナスなどの商品は大きな利益を出してくれます。

しかし株価がいつまでも上昇を続けるということはありえません。

レバナスで大きく資産を増やしていた投資家たちの中にも、2022年2月以降の大暴落により全ての利益が無くなったという話も聞きます。

一方的な相場は長く続くものではありませんので、やはりレバナスは短期投資向けの投資信託だと言えます。

レバナス投資を一括と積立で10年間行った場合

ではレバナスに10年間投資を行ったときはどうなるのかシミュレーションしていきましょう。

しかしレバナスが始まったのが2018年なので、実際にはバックテストをすることはできません。

そこで同じくNASDAQ100の2倍に連動する成果を目指す米国ETFである「QLD」を使ってシミュレーションをしてみました。

10年間の積立投資をした場合と、投資開始直後に最終積立額と同額を一括でレバナスに投資した場合に分けてシミュレーションしてみましたので、合わせて確認してみましょう。

※本来は為替差がありますので、ここでは1ドル100円として計算していますので実際の運用とは多少ずれることがあることをご了承ください

積立投資条件

・シミュレーション期間 / 任意の10年間(120か月)

・積立時の初期投資額 / 10万円

・毎月の積立金額 / 3万円

・分配金の取り扱い / 再投資

一括投資条件

・シミュレーション期間 / 任意の10年間(120か月)

・初期投資額 / 370万円(積立の総額 / 10万円+3万円×12か月×10年)

・分配金の取り扱い / 再投資

任意の10年間の選定

・リーマンショックを含む2008年1月~2017年12月の10年間

・リーマンショックを含まない2010年1月~2019年12月の10年間

・直近である2012年1月~2021年12月までの10年間

10年間積立投資の結果初回一括投資の結果一括と積立の差額
2008年1月~2017年12月約22,100,000円約22,570,000円470,000円
2010年1月~2019年12月約22,860,000円約61,380,000円38,520,000円
2012年1月~2021年12月約37,930,000円約139,400,000円101,470,000円

上記の結果をみると10年間の積立よりも、一括で投資をした時の方が明らかに結果が良いことがわかります。

これは2倍の動きを目指すレバナスに対してのかけられる金額が、初期から大きいのか、徐々に大きくなっていくかの違いの差でしかありません。

しかしリーマンショックを含む2008年1月からの結果を見てみましょう。

リスクを取らなかった積立投資と比べて47万円の差しかありません。

同じ10年間で1億円以上もの差が出ることもあれば10年間で50万円弱の差しか出ないこともあります。

つまりレバレッジをかけた商品への一括投資というのは開始時期に大きく左右されてしまうということです。

2008年1月にレバナスへ一括投資をした方がいたとしたら、一時的に大きく資金を減らしたはずです。

その時にレバナスを信じて10年間保有できる精神状態であったかはわかりません。

上昇すれば一気に資金を増やせる反面、大きく下落してしまうとその分損益も大きくなってしまうのが一括投資の危険な部分でもあります。

逆に2020年ぐらいに一括でレバナスを始めた方は短期間で大きな利益を得たでしょう。

まとめ:レバナスの運用

NASDAQ100指数は新興企業の株式を構成銘柄に入れこんでいるので、今後の成長が期待できるとも言えます。

そこに長期投資するという考え方もありますが、そこを差し引いてもレバレッジ型の金融商品を長期運用するデメリットが大きく感じてしまいます。

積立などの長期投資は積立NISAやS&P500などの安定型インデックスファンドに任せ、ハイリスクなレバナスは短期的な投資として余剰資金で運用することが望ましいでしょう。

上手に使えば短期間で資産を増やすことができるレバナス。

投資をしたらほったらかしの初心者よりも、日々敏感に株価をチェックするような中級者以上の投資家向けの商品だと言えます。

積立の全てをまとめた記事です。

この記事ではレバナスの積立投資について詳しく説明しましたが、積立についてさらに詳しく知りたい場合は、積立まとめ記事を参考にしてください。

監 修
Runchaテクニカル分析チーム

トレード体験アプリ「Runcha」のテクニカル分析チームが作成と監修をしています。


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内田 まさみ ラジオNIKKEI
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