RCIインジケーター【3本表示でトレンドもレンジも把握する】
公開日:2022年3月14日 更新日:2022年5月13日
目次
RCIインジケーターの計算式
RCIは相場の買われすぎや売られすぎなどの過熱感を見るためのインジケーターですが、他の過熱感を見るインジケーターと違い、計算式には時間要素が組み込まれています。
そのため以下のような多少複雑な計算式となっております。
RCIの計算式
RCIインジケーターの導入とパラメーター設定
いざRCIをチャートに表示しようと思っても、MT4やMT5には初期状態ではRCIは実装されておりません。検索サイトなどで「RCI」と検索してダウンロードしてインストールするなど外部から導入する必要があります。
RCIを使った分析方法
RCIを表示する準備ができましたら、いよいよRCIを使っての分析をしていきましょう。
大きく分けてRCIの分析方法には4つの方法があります。注意点もありますので一つ一つ見ていきます。
RCI線の傾きで分析する
長期間のRCIを使うことで、現在の相場のトレンド方向や優位性がある方向を視覚的に知ることができます。
RCI線が上向きに傾いているときは、上昇トレンドが発生している、またはこれから発生する可能性があることを示唆し、RCI線が下向きに傾いているときは下降トレンドが発生している、またはこれから発生する可能性があることを示唆します。
ということは、横向きになっているときはどちらにも行く可能性があるので取引は控えるなどの対策を取ることもできます。
0ラインを使って分析する
RCIの中央に表示されている0ラインは相場の勢いの分岐点の役割をしています。
この0ラインよりも上にRCIがあるときは上昇方向に優位性があり、0ラインより下にRCIがあるときは下落方向に優位性があると判断することができます。
例えば上記のRCIの傾きに加えて0ラインを上抜ける、下抜けるといったタイミングというのは、これから相場がその方向に向かって勢いが増して行く可能性がある場面だと分析することができます。
0ラインを使った分析は短期よりも長期のRCIで行った方が信頼度が高くなります。
±80%のラインで分析する
RCIには買われすぎを判断するためにウインドウ上部に+80%のラインが、売られすぎを判断するためにウインドウ下部に−80%のラインがあります。
このラインをRCIが超えた際に買われすぎや売られすぎを示唆するのですが、時間要素を計算式に組み込んでいるRCIはこのラインを再度割り込んでくるまでは「圧力はその方向にかかり続けている」と判断されます。
そのため±80%のラインを超え、さらに上昇下降し±100%付近で張り付いてしまうことがあります。
分析するポイントとしては、±80%のラインを超えた後に再度割り込んだタイミングがエントリーをする売買のシグナルとなります。
超えたからといってすぐにエントリーしないように注意をしましょう。
また、短期のRCIでは頻繁に±80%のラインを出たり入ったりするので注意が必要です。
期間の違う複数のRCI線の動きで分析する
RCIは同時に複数本表示することができます。
期間を変えたRCIを同時に表示することで、その方向が揃ったタイミングやクロスしたタイミングを売買のシグナルとすることができます。
次の項目では期間の違う3本のRCIを使った分析方法を深掘りしていきます。
3つのライン表示で売買タイミングを見極める
RCIで3本の線を使って分析を行う際の各期間の設定値は以下の通りです。
- 短期RCI=9期間
- 中期RCI=26期間
- 長期RCI=52期間
この3本を使って相場のトレンドを分析する方法と売買シグナルを解説していきます。
❶3本の線が揃ったタイミングは強いトレンドの発生を示唆
RCIのそれぞれの期間はその期間のトレンドを見極めることができます。
短期のRCIは短期のトレンドを、中期のRCIは中期のトレンドを、長期のRCIは長期のトレンドを表しています。
つまり、その3本が同時に揃ったタイミングというのはこれから強いトレンドが発生する可能性を示唆します。
売買シグナルは3本の線が揃ったタイミングであれば構いませんが、さらに優位性を高めるのであれば長期、中期のRCIを短期のRCIがクロスするタイミングや、上昇時なら長期RCIが0ラインより上にあるとき、下落時なら長期RCIが0ラインより下にあるときの優位性が最適となります。
また、長期RCIが上下の張り付きから±80%ラインを抜けたという場面では天井圏や底値圏からの転換を、「RCIの方向が揃っている」という優位性を担保したまま捉えることも可能となります。
❷長期RCIが±100%付近で張り付いているときに短期RCIを使ってトレードする
RCIは転換を捉える逆張りだけでなく、トレンドフォローの順張りをすることもできます。
RCIが±80%を超えているときは再度割り込むまでは「その方向に圧力が掛かり続けている」ということでしたので、その特性を使って押し目買いや戻り売りのタイミングを計ります。
例えば添付チャートのように長期RCIが+100%付近で張り付いているときに、短期RCIが−80%のラインを下抜け再度超えてきたところで買いのシグナルが点灯します。
長期RCIが+80%を超えており上昇の圧力が強く、短期RCIが−80%のライン抜けたという2つの上昇示唆が出ている状況となります。
他のインジケーターと組み合わせてさらに強固に
RCIはたくさんの情報を読み取れるインジケーターですが、RCIだけでトレードしていては勝ち続けることは難しくなります。
RCIはあくまで時間と価格の相関関係を見ているだけのインジケータです。
しかしこれに別のインジケーターを加えて分析し、それぞれの優位性が揃ったタイミングは強固な売買タイミングとなります。
例えばトレンドを視覚的に捉える移動平均線を組み合わせることで、移動平均線の傾きの方向へサポートされるタイミングと短期RCIの−80%を再度抜けるタイミングが揃えば、上昇の圧力が強い場面での押し目買いのタイミングとなりますし、
相場のボラティリティを捉えるボリンジャーバンドと組み合わせることで、長期RCIの張り付きに対してボリンジャーバンドのバンドウォークが終わるまでは、トレンドが継続しやすい特性を生かしポジションを持ち続け大きな利益をあげたりすることができます。
まとめ:RCIがトレンドとレンジ、どちらも把握できる理由
RCIは価格と時間の相関関係を見るため、例えば過去の価格が「上がり続けて」いた場合、時間の順位と価格の順位が揃うため上昇の圧力が強い状況がRCIの傾きに表されます。
そのためRCIの傾きによって相場が向かいたいトレンド方向への圧力が把握できます。
逆に、RCIが買われ過ぎや売られすぎを示唆する±80%のラインに到達せずに横ばいが続いている場合は相場にトレンドがなくレンジ状態だと把握できます。
RCIは計算式に含まれている内容を理解して正しい状況で使用すれば、かなり優秀なインジケーターです。
多くの方が採用し利益をあげているRCIをぜひ使いこなしてみましょう。
RCIの全てをまとめた記事です。
この記事ではRCIをどう有効に使うかについて詳しく説明しましたが、RCIについて詳しく知りたい場合は、RCIまとめ記事を参考にしてください。