RCIをFXで使ってみよう!売買判断を明確にするオシレーター
公開日:2022年3月10日 更新日:2022年5月13日
RCIとはなにか
RCIとは「Rank Correlation Index」(ランク コアレーション インデックス)の頭文字を取ったもので、日本語で「順位相関係数」と訳されます。
順位相関係数というと難しい言葉ですが、要は「一定期間の時間と価格に順位をつけてその関係性を視覚的にわかりやすいようにグラフで表した」ものです。
対比ではなく順位とすることで、現在価格の過熱感や相場の強弱が読み取れ、売買の判断をするシグナルとして使われることが多いテクニカル指標系のオシレーターです。
目次
RCIでわかるもの
- 買われすぎ売られすぎなどの過熱感を知ることができる
- 相場が向かおうとする方向の優位性を知ることができる
- 売買のタイミングの目安を知ることができる
- 利確のタイミングの目安を知ることができる
RCIでは、現在価格と期間内の価格との相関関係を時間経過を加味して見ることができるので、「現在価格が期間内の価格と比べて高いのか?安いのか?」だけではなく「この後も続きそうなのか?終わりそうなのか?」ということを併せて知ることができます。
こう言われると難しそうですが、全て計算された上でチャート画面上に表示されるので、トレーダーが見るべきものはチャート上のRCIの数値だけでよく、その数値により「今は買いなのか、売りなのか」という判断をつけることができます。
RCIは+1(100)から−1(100)の数値の間で推移します。実際の取引ではこの数値を使って売買判断のシグナルとして使用します。
RCIと他のオシレーターとの違い
RCIと類似したオシレーターにRSIやストキャスティクスがあります。3つとも「相場の過熱感を教えてくれる」というところは同じですが、RCIだけは大きな違いがあります。
RSIとストキャスティクスはどちらも「期間内の変動幅」をみていますが、RCIは「期間内の価格と時間の順位」を見ています。
この時間順位を見るというところが2つのオシレーターとの大きな違いで「より直近の価格を重要視したテクニカル指標である」と言えます。
その為、トレンド相場でも使いやすく順張りと逆張りのどちらでも使用できるのが特徴です。
3本のRCI(短期線、中期線、長期線)を使った取引方法
それでは実際に取引に活用するにはどういったところに注意して見ればいいのでしょうか?
実例を交えて見ていきます。
FXの取引ではRCIのどこを見ればいいのか
RCIを実際の取引で使用する時に、注目するべきポイントは4つです。
- 3本のRCIの傾きが揃ったタイミング
- RCIの0ラインのどちらで側で推移しているか
- RCIの±1(100%)への張り付き
- RCIのクロス
1.3本のRCIの傾きが揃ったタイミング
短期、中期、長期のRCIの方向が全て同時に揃ったタイミングは、売り買いの絶好のタイミングです。
例えば長期RCIが上向き、中期RCIが上向きの状態で推移中に短期RCIが±0.8のゾーンに入った際に「反転するはずだ」とすぐにポジションを持つのではなく、短期RCIが上向きになるまで待ってからポジションを持つ方がRCIの傾きによる優位性を担保することができます。
3本の傾きを気にすることで、どのタイミングでポジションを持てば優位に売買をできるのか、わかりやすく視覚的に判断できるようになります。
2.RCIの0%ラインのどちら側で推移しているか
ポジションを持つ際に3本のRCI全ての傾きが揃っていることが大事ですが、傾きが揃っていても大きな流れに逆らってしまっては損失になる回数が多くなってしまいます。
それを回避するためにもRCIの0%ラインよりも上で推移しているか下で推移しているかを判断するのはとても重要です。
例えば「全てのRCIが上向きだとしても全てのRCIが0%ラインより下に位置している場合は、0%ラインを超えられず下落に転じてしまう可能性が高い場面」ということになります。
全てが0%ラインよりも上で推移している必要はありませんが、狙う値幅によって長期、または中期のRCIが0%ラインを超えていることを確認することで3本の傾きによる優位性がさらに強固なものになります。
3.RCIの±100%ラインへの張り付き
RCIの特徴である時間要素を使った取引法方法として、長期RCIの±100%ラインへの「張り付き」を使ったトレンドフォローがあります。
±100%のライン付近に長期のRCIが張り付いているということは時間経過と価格の推移が完全な順相関(上昇)または逆相関(下落)になっているということなので、しっかりとしたトレンドが出ていると言えます。
その特徴を使って長期のRCIが張り付いている時に短期のRCIが逆側の±80%ゾーンから抜け出すタイミングで売買を仕掛けることで優位に取引をすることが可能になります。
長期足のトレンドフォローに対して押し目買いや戻り売りをするイメージです。
例えば「+100%付近で長期RCIが張り付いている時に短期RCIが−80%のゾーンを抜けるタイミングで買いを仕掛ける」といった使い方となります。
4.RCIのクロス
順張り逆張りどちらでも使える手法として、RCIのクロスを使った方法があります。
移動平均線やMacDなどでも使われる長期や中期の線と短期線とのゴールデンクロス、デッドクロスを使ってポジションを持つタイミングを測ります。
例えば上昇に対する順張りの場合、長期線が+100%付近で張り付いている際に短期線が逆側の−80%ゾーンまで届かないこともあります。
この場合、買いのシグナルは出ていません。しかし優位性があるトレンドの方向は上昇だとわかっているので、短期線が中期線をゴールデンクロスしたタイミングで買いのポジションを持つことで機会損失を防ぐことができます。
このタイミングは3本のRCIの方向も揃っているはずなのでかなり優位性が高い場面であるほか、もし短期線が−80%ラインへ到達の後にゴールデンクロスとなれば、さらに優位性が重なっている絶好の場面となります。
続いて逆張りの場合ですが、これは長期のRCIが±100%付近から離れ±80%のラインを抜けた後に中期や短期のRCIがクロスするタイミングで売買を仕掛けます。
例えば+100%に張り付いていた長期線が下落し始め+80%ラインを割った後に、上から短期線がデッドクロスしたタイミングで売りのポジションを持ちます。
長期RCIが80%のラインを割ったということは「買い圧力の優位性がなくなった=買われすぎていたものが売られ始めた」と判断できます。
そのタイミングで逆張りを仕掛けることにより天井圏や底値圏からの売買ポジションを持つことができ、大きな値幅を狙えるタイミングとなります。
ただし逆張りという特性上、優位性は順張りに比べて低いことには留意してください。
まとめ:RCIで売買判断をもっと簡単に
相場が勢いよく上昇したときなど、感覚的に「これだけ上がったのだからそろそろ下がるだろう」とか「勢いがあるからまだまだ上がるだろう」などと思ってしまうのはよくあることで、どちらにも転びそうな場面で悩むことは多いと思います。
そんなときにRCIを表示しておけば機械的に状況を判断することができ、優位性の担保や売り買いのシグナルを視覚的に捉えることができます。
自分の感覚だけに頼らず、初心者でもシンプルに売買判断ができるようになるのがRCIです。ぜひFXトレードでの活用にチャレンジしてみてください。