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FXに効くMACD!基本の使い方や設定、組み合わせ手法を紹介

公開日:2022年4月4日 更新日:2022年5月13日

FXトレーダーにも人気のMACD

MACDをチャートに表示

上の画像では、サブチャートにMACD(マックディー)を表示しています。

MACDの正式名称は「Moving Average Convergence Divergence」で、直訳すると「移動平均収束発散法」という意味です。

MACDはこの名前の通り、2本の移動平均線の収束(近づくこと)と発散(離れること)に注目して、移動平均線を発展させる形で開発されました。

MACDのベースは移動平均線にあるので、基本的にはトレンドを捉えるトレンド系インジケーターの性質を持っています。

しかし、それだけではなく、相場の過熱感を捉えるオシレーター系インジケーターの側面も持ち合わせているのが特徴です。

さまざまな用途で使用できるMACDは使い勝手が良く、FXでも多くのトレーダーが使用しており非常に人気があります。

MACDには一般的な使われ方がいくつかありますが、自分なりの工夫をした使い方をするトレーダーも多く、使い方の幅が広いのも魅力です。

まずは基本を押さえることが大事ですが、ゆくゆくは自分流にアレンジした使い方にチャレンジしてみるのもいいかもしれません。

MACDを構成する3つの要素

MACDの3つの構成要素

上の画像ではMACDを構成する3つの要素を示していますが、それぞれの計算式は以下の通りです。

MACDの計算式

MACD線 = 短期EMA(X期間) – 長期EMA(Y期間)
シグナル線 = MACD線のEMA(Z期間)
ヒストグラム = MACD線 – シグナル線

X/Y/Z:パラメータ、EMA:指数平滑移動平均

このように、計算式は非常にシンプルなものになっています。

3つの要素はそれぞれ独立した値ではなく、MACD線の移動平均(EMA)を取ったものがシグナル線で、両者の差を取ったものがヒストグラムという関係にあるのがポイントです。

このことも踏まえつつ、それぞれの構成要素について見ていきましょう。

なお、EMAの計算方法を含めてこの計算式については、以下の記事でより詳細に解説しているので、気になる人はチェックしてください。

MACD線

長短EMAとMACD線の関係

MACD線は「短期EMA – 長期EMA」で算出される値であり、上の画像で示した通りMACD線の値が意味するのは短期EMAと長期EMAの値幅です。

MACD線がプラスのときは短期EMAが長期EMAより上に位置し、MACD線がマイナスの時は短期EMAが長期EMAより下に位置することになります。

象徴的なのが白丸で示している「MACD線 = 0」のとき(MACD線とゼロラインとクロスするとき)で、このタイミングで短期EMAと長期EMAはクロスしています。

シグナル線

MACD線とシグナル線の関係

上の画像における青ラインはMACD線、オレンジラインはシグナル線です。

計算式にもある通り、シグナル線はMACD線のEMAというタイプの移動平均線です。

そのため、MACD線よりも少し滑らかな軌道を描きながら、MACD線を追いかけるように動いているのが分かります。

MACD線の上下動が転換するタイミングでは、白丸出示しているようにMACD線とシグナル線のクロスが起こるのがポイントです。

ヒストグラム

MACD線とシグナル線とヒストグラムの関係

上の画像では、上側にMACD線とゼロライン、下側にヒストグラムという形で、見えやすいように分けて表示しています。

ヒストグラムは「MACD線 – シグナル線」で算出される値なので、MACD線とシグナル線の幅が、ヒストグラムの棒の長さと一致するようになっています。

ここでは、MACDの各構成要素の意味合いを簡単に見てきましたが、以下の記事ではより詳細に解説しています。こちらもぜひ読んでみてくださいね。

FXにおけるMACDの使い方と基本手法

FXにおけるMACDの使い方はさまざまありますが、ここでは基本的な使い方である以下の3つについて紹介してきます。

  • ゼロラインとのクロス
  • ゴールデンクロスとデッドクロス
  • ダイバージェンス

なお、最も定番の使い方は2つ目のゴールデンクロスとデッドクロスですが、理解しやすくするためにあえて2番目に説明を行っています。

では、それぞれ見ていきましょう。

ゼロラインとのクロス

MACD線とゼロラインのクロス

上の画像は、MACD線とゼロラインがクロスしたところを白丸で示しています。

このサインの条件を整理すると、以下のようになります。

  • MACD線がゼロラインを下から上に追い抜くと買い
  • MACD線がゼロラインを上から下に追い抜くと売り

MACD線とゼロラインのクロスは、短期EMAと長期EMAがクロスしていることを示しており、移動平均線におけるゴールデンクロス・デッドクロスと同じ意味を持ちます。

例えば、MACD線がゼロラインとクロスして下から上に追い抜くというのは、短期EMAが長期EMAよりも下にある状態から、長期EMAを上方向に追い抜いている状態です。

これは移動平均線のゴールデンクロスと呼ばれるシグナルで、「上昇トレンドが発生してチャートが上方向に伸びる」という形で予測が行われます。

ゴールデンクロスとデッドクロス

MACDにおけるゴールデンクロスとデッドクロス

続いてMACDで最も定番のシグナルですが、これは上の画像において白丸で示しているものです。

この条件を整理すると以下のようになります。

  • ゼロラインよりも下で、MACD線がシグナル線を下から上に追い抜くと買い(ゴールデンクロス)
  • ゼロラインよりも上で、MACD線がシグナル線を上から下に追い抜くと売り(デッドグロス)

これは先ほどの移動平均線のゴールデンクロス・デッドクロスとも似ている考え方ですが、MACD線がシグナル線を抜くと、その方向にMACD線が伸びると予測するイメージです。

例えば、ゼロラインよりも下でMACD線がその移動平均線であるシグナル線を下から上に追い抜くと、MACD線が上に伸びることが考えられます。

そして、理想的にはそのままMACD線がゼロラインも下から上に追い抜いていくことが期待できるでしょう。

このシグナルは、1つ目で紹介したゼロラインとのクロスよりも早く発生するのがポイントです。

そのため、トレンドの発生をよりスピーディに捉えることができるというメリットがあります。

ダイバージェンス

MACDにおけるダイバージェンス

上の画像の白矢印に注目すると、チャートが高値を更新している状態で、MACDが高値を切り下げており、チャートとMACDが逆行する現象が起こっています。

これはダイバージェンスと呼ばれる、オシレーター系インジケーターにおいてよく見られる現象です。

ダイバージェンスは、トレンドの転換が起こる兆候を示唆するものとされています。

ただし、ダイバージェンスが示すのはあくまで兆候であり、ダイバージェンスが起これば必ずトレンドが転換するというものではありません。

ダイバージェンスを繰り返しながら高値・安値更新が続くこともあるので、注意するようにしましょう。

以上、今回はMACDの使い方の主要部分を簡単に説明してきましたが、より詳細な使い方が知りたい人は以下の記事をチェックしてみてください。

MACDの一般的な設定値について

MACDの計算式でも紹介しましたが、MACDには以下の3つのパラメータがあり、設定値を調整することができます。

  • X:短期EMAの期間
  • Y:長期EMAの期間
  • Z:シグナル線の期間

X/Yを調整すればMACD線の動き方が変わり、Zを調整すればMACD線に対するシグナル線の動き方が変わります。

分析対象や時間足、手法などによっても適切な値は変わりますが、最も一般的な組み合わせは以下です。

( X, Y, Z ) = ( 12, 26, 9 )

この組み合わせは、MACDの開発者であるジェラルド・アペル氏が推奨したものの一つで、現在最も多くのトレーダーが使用しています。

ただし、この組み合わせが最適化というとそういうわけではなく、バックテストを通してより機能しやすい値を探してもいいでしょう。

この辺りの設定値に関しては、以下の記事で詳細に解説しているので、ぜひチェックしていただければと思います。

FXにおけるMACDの組み合わせ手法の紹介

ここまでMACDを単独で使用した手法を紹介してきましたが、MACDは他の分析手法と組み合わせて使うことができます。

組み合わせ手法のパターンは無数にありますが、ここでは紹介するのは以下の2つです。

  • MACDとRSIを併用
  • MACD線にトレンドライン分析を適用

どういう考え方で手法を組み合わせているかというところに注目して、オリジナルの手法を考案する際の参考にしていただければと思います。

MACDとRSIを併用

RSIで過熱感を判断した上でMACDでトレンド発生を捉える

上の画像では、MACDとRSIを併用してトレード判断を行っています。

RSIは過去の上昇・下落幅の合計における上昇幅の割合を示した指数ですが、「RSIが70%を上回った後に再び70%を割り込んできたら売り」というサインがあります。

ここで、上のチャートを見てみると、黄丸でこのRSIのサインが出て下がりやすいと判断できる直後に、白丸でMACD線で売りのシグナルが出ました。

2つのシグナルを根拠として、より上昇する可能性の高いタイミングで売りでエントリーできた形です。

MACD線にトレンドライン分析を適用

上の画像では、MACD線にトレンドライン分析を適用してトレード判断を行っています。

トレンドラインはチャートに引くのがよくある使い方ですが、MACD線にトレンドラインを引くことも可能です。

ここでは、トレンドラインをブレイクしたときにはその方向へと伸びやすいという性質を利用しています。

白丸で示したところを見てみると、MACD線がトレンドラインを下から上にブレイクアウトしています。

ここでMACD線が上に伸び、チャートも上に伸びると判断する形です。

その後、チャートは上方向に伸びて、ここでは適切なタイミングで買いエントリーを入れることができました。

MACDを利用する上での注意点

FXでトレードをする上で使い勝手の良いMACDですが、利用する際には以下の2点に注意することが大切です。

  • ダマシが起こることも少なくない
  • 狭いレンジ相場では機能しない

では、それぞれ解説していきます。

ダマシが起こることも少なくない

MACDのデッドクロスのダマシ

MACDは、移動平均線のシグナルがより早く出る形で改良されたインジケーターです。

そのため、より早くトレンドを捉えられるというメリットがあります。

しかし、これは同時に、ダマシが起こりやすくなるというデメリットがあることも示しています。

具体的には上の画像のように、MACDでゴールデンクロス・デッドクロスが起こったものの、ゼロラインに到達しないパターンです。

つまり、トレンド発生のシグナルがMACDでは出たものの、移動平均線では出ることはなく、MACDにおけるシグナルがダマシに終わっています。

このように、シグナルが早い分、ダマシが多いという性質は頭に入れておくようにしましょう。

狭いレンジ相場では機能しない

レンジ相場におけるMACDの動き方

MACDは、大きなトレンドの発生を比較的早いタイミングで捉えるのを得意としています。

一方で、トレンドが小さい、あるいは、トレンドが発生しない場合には、シグナルが出てもチャートが伸びず、ダマシに終わりやすいところがあります。

特に値幅の狭いレンジ相場においては、MACD線とシグナル線が細かいクロスを続けて全く機能しないということもあり得ます。

そのため、こういったレンジ相場においてはMACDのゴールデンクロス・デッドクロスのシグナルの利用は避けておきたいところです。

合わない相場を避けるという意味でも、例えば組み合わせ手法で紹介したRSIとの併用のように、他の分析手法をうまく併用してMACDを利用するのが望ましいでしょう。

まとめ:MACDはFXトレードにおける強い味方!

今回は、FXにおけるMACDの使い方を、基本的なところから応用の組み合わせ手法まで、注意点も含めて解説してきました。

さまざまな使い方のあるMACDは、FXにおけるトレードを有利に進めていく上で非常に強い味方となるはずです。

他の分析手法とも併用しやすい柔軟性もあるので、一度ご自身の手法にも取り入れられないか検討してみてはいかがでしょうか。

MACDの使い方は幅広いので、本記事で完全に解説し切れていないところもあります。

より深くMACDを理解したいという人は、ぜひ関連記事もチェックしてみてくださいね。

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