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ダイバージェンス手法を使いこなせ!ダマシに合わない見方と使い方

2022年07月19日 公開 
2023年01月30日 更新

ダイバージェンスとは

ダイバージェンスは相場の転換を捉えることができる、トレンドの天底を知ることができる。

そのようなことを聞いたことがある方もいるかもしれません。

たしかにダイバージェンスは相場の転換やトレンドの終わりを示唆し、サインとして視覚的に見ることができますが、果たしてそんなことが可能なのでしょうか。

この記事ではダイバージェンスをどう見ればいいのか、どう使えばいいのか、ダイバージェンスを活用した取引手法などをご紹介していきます。

ダイバージェンスを理解する

ダイバージェンスはトレンドの勢いの減少や相場の流れが転換しそうなタイミングをサインとして視覚的に示唆してくれる分析方法です。

チャートとオシレーター系のテクニカル指標の動きに連動性が無くなった状態を指します。

連動性とは、例えば価格は高値を更新しているのにオシレーターは高値を切り下げてしまったというような「逆行現象」が起こった状態です。

つまりダイバージェンスが発生している状態の価格とテクニカル指標の「動きの矛盾」を、トレンドの勢いがなくなったと判定してトレンドの終わりや転換のサインとするということです。

ダイバージェンスの模式図

チャートに現れるダイバージェンス

それではダイバージェンスがチャート上でどのように見えるのか実際のチャート画面を使って確認していきましょう。

下記の図はMacdを表示したチャート画面です。

画面左端から上昇トレンドが続いている場面で、画面中央の赤丸の位置で価格は高値を更新しています。

同じくMacdも画面左端から上昇を続けていましたが、画面中央の価格が高値を更新した位置では黄色丸のように高値を切り下げてしまっています。

この状態がダイバージェンスです。

価格は高値を更新しているにもかかわらず、オシレーターは高値を切り下げる「逆行現象」が確認できました。

その後価格は高値の更新をすることなく、ずるずると下落しています。

ダイバージェンスをチャートで確認

ダイバージェンスの見方

実際のチャート画面でダイバージェンスを確認していただきました。

実はダイバージェンスには大きく分けて2つの種類と2つの状態の計4パターンがあります。

今見ていただいたトレンドの終わりや転換を示唆する「ダイバージェンス」の他に、トレンドの継続を示唆する「リバーサル」と呼ばれるもの。

そしてそれぞれに「強気(ブリッシュ)」と「弱気(ベアリッシュ)」と呼ばれる状態があります。

この項ではそれぞれどのように見ればいいのかを確認していきましょう。

ダイバージェンスとリバーサル

ダイバージェンスは上昇トレンド中に価格が高値を更新しているのに対して、オシレーターが高値を更新していない逆行現象でトレンドの終わりや転換を示唆する現象でした。

その逆の動きとしてオシレーターが高値を更新しているのに、価格が高値を更新しない逆行現象も存在します。

それを「リバーサル」と呼びます。

このリバーサルは「ヒドゥン・ダイバージェンス」や「コンバージェンス」と呼ばれることもありますが、元々はオシレーターごとにダイバージェンスと反対の現象をどう呼んでいたかという名残なので、どれを使っても意味は同じです。

ちなみに、リバーサルはオシレーターで見られる動きの総称を指すのに対して、「ヒドゥン・ダイバージェンスはMacd」、「コンバージェンスはRSI」などで使われていた呼び名です。

強気のダイバージェンスと弱気のダイバージェンスの見方

ダイバージェンスには下降(売り)方向への転換を示唆するものと、上昇(買い)方向への転換を示唆するものがあります。

上昇トレンド中に発生したダイバージェンスは上昇トレンドの終わりや下降方向への転換サインとなるので売りを示します。

「売り=弱気(ベア)」と呼ばれることから「弱気のダイバージェンス」と言います。

逆に下降トレンド中に発生したダイバージェンスは下降トレンドの終わりや上昇方向への転換サインとなるので買いを示します。

「買い=強気(ブル)」と呼ばれることから「強気のダイバージェンス」と言います。

強気と弱気のダイバージェンス

相場で使われる言葉に合わせて上昇示唆を強気、下降示唆を弱気と呼んでいるだけなので、強気のダイバージェンスだからと言って効果が高い、弱気のダイバージェンスだから効果が弱いというわけではありません。

この辺りは間違えないようにしましょう。

強気のリバーサルと弱気のリバーサルの見方

リバーサルにも2つの種類があり、下降(売り)方向へのトレンド継続を示唆するものと、上昇(買い)方向へのトレンド継続を示唆するものがあります。

上昇トレンド中に発生したリバーサルは上昇トレンドの継続を示唆するサインとなるので買いを示します。

「買い=強気(ブル)」と呼ばれることから「強気のリバーサル」と言います。

逆に下降トレンド中に発生したリバーサルは下降トレンドの継続を示唆するサインとなるので売りを示します。

「売り=弱気(ベア)」と呼ばれることから「弱気のリバーサル」と言います。

トレンド中の押し目戻り目のタイミングを測る目安としても機能しますので、是非覚えておきましょう。

強気と弱気のリバーサル

こちらも強気のリバーサルだからと言って効果が高い、弱気のリバーサルだから効果が弱いというわけではありませんので、間違え無いようにしましょう。

ダイバージェンスの使い方

ダイバージェンスとリバーサルの形を覚えたところで、実際にどのようなテクニカル指標で、どのような場面で、どのように使えて、どれぐらい信頼度があるのかを確認して行きましょう。

オシレーター系のテクニカル指標で使用する

ダイバージェンスを確認するためにはオシレーター系のテクニカル指標を表示する必要があります。

オシレーター系テクニカル指標とはRSIやストキャスティクスなどのように価格の買われ過ぎや売られ過ぎなど相場の変化の大きさやふり幅を視覚的に確認できるテクニカル指標です。

ここではMT4やMT5に標準装備されているダイバージェンスを確認できるオシレーターをご紹介していきます。

ダイバージェンスが確認できるオシレーター

  • RSI・・・過去一定期間の上げ幅や下げ幅から計算される現在価格の相対的な過熱感を表す
RSIでのダイバージェンス
  • ストキャスティクス・・・過去一定期間の高値や安値から現在価格の終値の水準を分析する
ストキャスティクスでのダイバージェンス
  • Macd・・・過去一定期間の2本の移動平均線を再計算し価格の周期と方向性を分析する
MacDでのダイバージェンス
  • CCI・・・過去一定期間の値動きの平均値と現在価格の乖離を標準偏差を使って計算し表す
CCIでのダイバージェンス

ダイバージェンスを単体で使った時の信頼度

上記の4枚の図だけを見ると、ダイバージェンスが発生すれば相場は転換していくかのように見えます。

しかし下記の図ではどうでしょうか。

EURUSDの1時間足にRSIを表示しています。

チャート内では2回連続でダイバージェンスが発生している場面ですが、価格は上昇を続けています。

ダイバージェンスが機能していない

つまりこのチャート画面ではダイバージェンスは機能していないということになってしまいます。

このチャート上でダイバージェンスが機能していない原因は、ダイバージェンスを確認しているオシレーター自体の特徴とダイバージェンスだけを単体で使ってしまっていることが挙げられます。

ダイバージェンスに対する誤解された使い方

まず、オシレーターの特徴について簡単に触れます。

FXや株式取引においてのオシレーターは相場の過去一定期間に対して現在価格が買われ過ぎているのか、売られ過ぎてるのかという過熱感を見るために使うテクニカル指標です。

この特徴を大げさに言えば、常に買われ過ぎの状態が一定期間続けばオシレーターにとって買われ過ぎている状態が当たり前になり「買われ過ぎのサインを出さない」ということになります。

逆に買われることも売られることも殆どない期間が一定期間続けば、ほんの少し買いに傾いただけでオシレーターは「買われ過ぎのサインを出してしまう」ということになります。

ここで上記のチャートに戻りましょう。

実はこのチャートの左側にも上昇トレンドが連続しています。

ダイバージェンスが発生した位置は明らかな上昇トレンド中です。

そのため、価格が高値を更新していても更新幅が小さい場合はオシレーターは「大して買われていない」と判断して高値を切り下げてしまいます。

これによりダイバージェンスが発生してしまっているのです。

つまり、ダイバージェンスが発生したとしてもその背景まで読み取らなければサインとしての役目は果たさないということになります。

それではどうすればダイバージェンスをサインとして相場の転換やトレンドの終わりを読み取ればいいのでしょうか。

次の項ではダイバージェンスを活用した取引手法を解説していきます。

ダイバージェンスを活用した手法

ダイバージェンスはその背景を読み解くことで上手く使うことができるとお伝えしました。

では背景を読み解くとは一体どういうことなのか。

ダイバージェンスを使ったエントリータイミングは何と組み合わせるといいのか、利益確定の目安として使えるのかなどを解説していきます。

ダウ理論と組み合わせたダイバージェンス手法

ダイバージェンスはトレンドの転換や終わりをサインとして視覚的に教えてくれます。

それならば、トレンドの継続とトレンドの終わりを言葉で定義しているテクニカル分析と組み合わせればその精度は上がると想像できます。

それがダウ理論です。

ダウ理論は高値と安値が切り上がり続ける限り上昇トレンドが継続されるとし、押安値をブレイクするとトレンドが終わるとしています。

この定義をダイバージェンスと組み合わせます。

例えば下記の図を見てみましょう。

チャート左側は上昇トレンド中です。

トレンド中の価格が高値を更新しましたがオシレーターが高値を更新できずにダイバージェンスが起こり、かつ高値を更新した押安値を価格がブレイクしダウ理論が崩壊したと確認できた位置から売りを入れると考えます。

すると「ダイバージェンスによる反転サイン」に加え「上昇ダウが崩壊しトレンドが終わった可能性」という2つの根拠を持つことができます。

ダイバージェンスだけを根拠に売るのは、ダマシの多さを考えても効率的ではありません。

トレンドが継続するかしないかを判断する別の根拠と組み合わせて使ってみましょう。

ダウ理論とダイバージェンス

水平線と組み合わせたダイバージェンス手法

ダイバージェンスは転換を捉えるサインのため、その醍醐味は天底を捉える可能性があることです。しかしダマシも多く負けが先行することが多いため、使いづらい一面もあります。

そこで、上位足の水平線との組み合わせで有効に機能しやすい場面を選んでいく必要があります。

上位足の重要な水平線付近で確認できる下位足でのダイバージェンスや、上位足でチャートパターンを形成中の水平線上確認できる下位足のダイバージェンスなど、上位足が転換をするタイミングを天底として捉えるタイミングを狙うこともできます。

「上位足で反応しそうな水平線に到達した」というタイミングで「下位足の反転サインがでた」という2つの根拠をもって買いや売りを入れることができます。

図では上位足である4時間足が水平線上でダブルボトムを形成中の場面です。

黄色丸で囲った位置では、下位足である15分足がダイバージェンスを起こしています。

つまり「4時間足のダブルボトムの右肩で15分足に反転サインが出ている」という状況です。

4時間足ではまだダブルボトムの完成前ですが、転換を起こしそうな場所で15分足がダイバージェンスを起こしているという2つの根拠が重なったという場面です。

注意点としてはあくまで「反転の示唆」ですので、損切りは浅く逆行されたときは粘らないということも必要になります。

水平線とダイバージェンス

移動平均線と組み合わせたダイバージェンス手法

ダイバージェンスが発生しトレンドが転換するということは、これまでの相場の流れが変わるということです。

それならば価格推移の流れを視覚的に把握できる移動平均線のどちら側に価格があるのかを判断材料にすることで2つの根拠を重ねることができるようになると考えられます。

図ではチャート左側からの上昇トレンドが確認でき、移動平均線も価格を下から支えるように推移しています。

チャート真ん中あたりでダイバージェンスが発生していますが、この後価格が反転するかは根拠に乏しいところです。

そこでダイバージェンスが発生してすぐに売るのではなく「価格が移動平均線を実体でブレイクし右肩上がりの流れが途切れた」と確認できた位置からの売りを考えます。

もう一つ付け加えるなら、移動平均線の傾きにまで注目できると更に精度は上がります。

ただし移動平均線も過去の値動きからの平均値をグラフ化しただけなので、ブレイクし傾きが変わったからといって必ず反転するわけではないことに注意しておきましょう。

移動平均線とダイバージェンス

利益確定を目的としたダイバージェンス手法

ダイバージェンスはトレンドの終わりや転換を示唆するというならば、使い方としてはエントリーよりも利益確定の方が使いやすいのではないかとも言えます。

すでにポジションを保有しているのならば、利益確定をどこでするかの目安にダイバージェンスを使うこともできます。

図では画面左の緑チェックマークでポジションを保有しています。

その後に価格は思惑通りに上昇トレンドになりましたが、、果たしてこのトレンドはどこまで続くのかは誰にもわかりません。

そこで上昇トレンドに対するダイバージェンスが発生したタイミングで利益を確定してしまうという考え方もあります。

もちろんこの後に価格がさらに伸びることもありますし、トレンドが反転するかもしれませんし、トレンドが終わっただけでレンジになるかもしれません。

どちらになるかはわからないので、反転転換のサインがダイバージェンスとして発生したところで利益を確定してしまうということです。

利益確定とダイバージェンス

ちなみにですが、この後は一度価格がもうひと伸びした後に下落基調へ転じていきました。

よく見るとダイバージェンス発生直後に再度ダイバージェンスが発生しています。

折角の利益を無くしてしまわないように、注視しておきましょう。

利益確定とダイバージェンス2

まとめ:ダイバージェンスを妄信しない

ダイバージェンスは相場の転換点を捉えるとても優れたサインに聞こえます。

しかしテクニカル分析である以上、100%ということはありません。

それでも他のテクニカル分析と組み合わせ根拠を重ねることで、確率というのは上がっていきます。

また、直前の状況次第でオシレーターは過剰な反応を見せることもあります。

ダイバージェンスが出たからと言ってすぐに売りだ買いだとするのではなく、状況をしっかりと把握してさらに組み合わせて使うようにすれば、とても優秀なサインツールとしてご自身のトレードに活かせると思います。

ダイバージェンスの全てをまとめた記事です。

この記事ではダイバージェンスの見方や使い方を詳しく説明しましたが、ダイバージェンスについてさらに詳しく知りたい場合は、ダイバージェンスまとめ記事を参考にしてください。

監 修
Runchaテクニカル分析チーム

トレード体験アプリ「Runcha」のテクニカル分析チームが作成と監修をしています。


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内田 まさみ ラジオNIKKEI
日経CNBCの番組パーソナリティ
経済雑誌多数連載中
山中 康司 金融リテラシー協会 代表理事
アセンダント取締役
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