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バルサラの破産確率|資金がゼロになる確率を分析しトレード方針を定める

公開日:2021年9月10日 更新日:2022年4月25日

図解で分かるバルサラの破産確率

要するに、バルサラの破産確率とは

  • ある条件のもとでトレードを続けた場合に、資金がゼロとなる確率が分かる
  • 損失許容率、勝率、ペイオフレシオの3つの要素から計算される
  • トレード方針を定める際の参考情報として使う

バルサラの破産確率の概要

★画像挿入【alt:トレーダーにとっての羅針盤】
トレーダーにとっての羅針盤ということが伝わるイメージ図をお願いいたします。

バルサラの破産確率とは、一定の条件のもとでトレードを続けた場合に資金を失うことになる確率を示すものです。

過去の自分のトレードが示す結果から破産確率を求めれば、自分がこのままトレードを続けた場合に、相場から退場する可能性がどの程度あるのかを知ることができます。

もし破産する可能性が高いのであれば、自分のトレード戦略が誤っているということであり、すぐにでも修正することが必要があると考えられます。

このようにバルサラの破産確率は、自分のトレードが破産へと向かっていないかを確認できる、トレーダーにとっての羅針盤のようなものと考えるといいでしょう。

バルサラの破産確率表とは?

バルサラの破産確率を簡単に確認できるツールとして、以下の画像のようなバルサラの破産確率表がよく知られています。

★画像挿入【alt:バルサラの破産確率表(損失許容率2%)】
balsara_gazou01

見ての通り縦軸と横軸のマトリックス状になっていて、その中に確率が記載されている形です。

この確率は、所定の条件でトレードを続けた場合に破産する確率を示しています。

その条件とは、以下の3つです。

  • 損失許容率
  • 勝率
  • ペイオフレシオ

簡単に説明すると、損失許容率はトレードに負けたときの資金に対する損失額の割合、勝率はトレードで勝つ確率、ペイオフレシオは平均損失額に対する平均利益額の割合です。

詳細についてはまた後で解説しますので、まずは表をどう見ればいいか、どう活かせばいいのかを理解してください。

バルサラの破産確率表の見方

★画像挿入【alt:バルサラの破産確率表(損失許容率2%)の読解】
balsara_gazou02
上の画像を使って以下の感じできれいに加工お願いします。

上の画像で示しているのは「損失許容率=2%」の表であり、横軸が勝率縦軸がペイオフレシオです。

この表から読み取れるのは、例えば「損失許容率=2%、勝率=40%、ペイオフレシオ=1.6」(画像における赤丸)であれば破産確率は8.3%(画像における赤四角)となるということです。

一般的に、この破産確率は1%未満に押さえるのが良いとされています。

そのため、もし損失許容率と勝率を現状のままにするのであれば、ペイオフレシオを1.6から1.8に改善して破産確率を0.14%に抑えるように、トレードを改善すべきということが分かるわけです。

なお、ペイオフレシオは指値注文・逆指値注文を設定することである程度コントロールできます。(詳細は、後述の後述の「トレードに活かすための考え方」をご覧ください。)

また、もし損失許容率とペイオフレシオを現状のままにするのであれば、勝率を40%から50%に改善して破産確率を0%に抑えるという形になりますね。

このようにバルサラの破産確率表からは、「ペイオフレシオを改善できるように早めに損切りしよう」「勝率を改善するためにテクニカル分析を工夫しよう」といった具合に、退場しないようなトレードをするためには何を改善していけばいいのかが読み取れることができるわけです。

バルサラの破産確率を構成する3つの要素

では、先ほど紹介したバルサラの破産確率表を構成する3つの要素(損失許容率、勝率、ペイオフレシオ)について、それぞれ詳細に説明していきます。

損失許容率

★画像挿入【alt:損失許容率の計算式】
損失許容率=1トレードにおける損失額÷元手資金

損失許容率=1トレードにおける損失額÷元手資金

損失許容率とは、1トレードにおいてリスクにさらす資金割合のことです。つまり、元手資金に対するトレードに負けた際の損失額の割合を示す値です。

例えば、100万円の資金でのトレードにおいて、損失額を2万円となるようなトレードをする場合は、損失許容率は2%ということになります。

ちなみに、米ドル/円のトレードで2万円の損失となるのは、1万通貨の取引であれば損切り値幅が200pips(2円)、2万通貨の取引であれば損切り値幅が100pips(1円)のケースです。

このような形で、損失許容率は取引通貨量と損切り値幅の2つの要素で決まります。

取引通貨量や損切り値幅を調整することで、トレーダーは損失許容率をコントロールできるということを頭に入れておきましょう。

勝率

★画像挿入【alt:勝率の計算式】
勝率=勝ちトレード数÷全トレード数

勝率=勝ちトレード数÷全トレード数

勝率は、全てのトレードにおける勝ちトレードの割合です。

例えば、100回トレードして50勝50敗であれば勝率は50%、60勝40敗であれば勝率は60%ということになります。

トレーダーが採用する手法によって勝率は変わっていきます。

その時々の相場状況の影響も受けるため、コントロールするのが難しいところがあります。

ペイオフレシオ

★画像挿入【alt:ペイオフレシオの計算式】
ペイオフレシオ=平均利益÷平均損失

ペイオフレシオ=平均利益÷平均損失

ペイオフレシオは、勝ちトレードにおける平均利益が負けトレードにおける平均損失の何倍かを示す値です。

「リスクリワードレシオ」「損益率」と呼ばれることもあります。

例えば、100回トレードをして40勝60敗だったときに、勝ちトレードにおける総利益額が80万円、負けトレードにおける総損失額が60万円という結果だったとしましょう。

この場合、勝ちトレードにおける平均利益は2万円、負けトレードにおける平均損失は1万円ということになり、ペイオフレシオは2ということになります。

例からも分かる通り、勝率が5割を切っていてもペイオフレシオが高ければ、全体としては利益をあげることが十分可能です。

ペイオフレシオについては、個々のトレードにおける利食いラインと損切りラインを意識して設定することで、トレーダーはある程度コントロールすることができます

破産確率の計算方法

破産確率を構成する3つの要素を紹介したので、実際に破産確率を求める計算式についても参考として紹介しておきます。

★画像挿入【alt:破産確率の計算式】
・x=xペイオフレシオ+1+(1-勝率)
・0<x<1
を満たすxをRとすると、破産確率は以下のようになる。
・破産確率=R1/損失許容率

x=xペイオフレシオ+1+(1-勝率)
0<x<1
上記を満たすxをRとすると、破産確率は以下のようになる。

破産確率=R1/損失許容率

見ての通り複雑な数式なので、これを理解する必要はありませんし、自分で計算できるようにならなくても大丈夫です。

自分の損失許容率、勝率、ペイオフレシオの実績から破産確率を算出する場合には、以下のような破産確率の計算機を使用するといいでしょう。(“定額”にセットして、それぞれの項目を入力してください。)

“破産の確率”計算機(外部サイト)

バルサラの破産確率表の深掘り解説

★画像挿入【alt:表を詳しく分析する人】
深掘り解説だよというのが分かるように、表を細かく分析しようとしている人のイメージ図をお願いします。

バルサラの破産確率表の基本的なところを説明してきたので、ここからはより深い説明に入っていきます。

冒頭で紹介した破産確率表は、「損失許容率=2%」の破産確率表でした。実は、損失許容率によって破産確率表における値は変わっていきます

では、様々な損失許容率の破産確率表を見ながら、それぞれの違いや特徴、望ましいトレード方針などを確認していきましょう。

損失許容率別の破産確率表

ここでは、損失許容率が20%/10%/5%/2%/1%/0.5%における破産確率表を載せていきます。

一般的に望ましいとされている破産確率が1%以下の領域(薄いオレンジ色)の違いに注目しながら、確認してみてください。

また、併せてトレード損益の期待値がプラスになる領域(太線内)も示しています。

期待値≦0のトレードは破産確率は必ず100%となるので、この領域(太線外)はあまり気にしなくていいでしょう。

期待値プラスの領域(太線内)の中で破産確率1%以下の領域(薄いオレンジ色)がどのように広がっていくかというのがことに注目して、それぞれの破産確率表を見比べていってください。

先に一つの結論を言っておくと、損失許容率が下がれば破産確率1%以下の領域は広がっていきますが、損失許容率2%の段階で太線内のほぼ全域が薄いオレンジ色となっています。

投資の世界では「損失は資金の2%以下に抑えるべき」という2%ルールが有名 ですが、これは破産確率の観点からもバランスの良い数値と言えそうです。

損失許容率20%

★画像挿入【alt:バルサラの破産確率表(損失許容率20%)】
balsara_gazou03

上の画像は、損失許容率20%の破産確率表です。

損失許容率20%というのは、資金が100万円であれば負けトレードで20万円の損失が出るというサイズ感です。

多くの人がかなりリスキーな運用という感覚を持つのではないでしょうか。

破産確率が1%以下の領域は、期待値がプラスの領域の半分ほどにとどまっています。

細かく見ていくと、ペイオフレシオが1のとき、破産確率が1%以下になるのは勝率80%以上の領域という形です。安全にトレードするにはかなり高い勝率が必要ということですね。

ペイオフレシオを1.2に改善すると、破産確率が1%以下となる領域は勝率70%以上と少し広がります。

ただ、その後、ペイオフレシオを3まで改善しても、破産確率が1%以下となるのは勝率70%以上の領域のままです。

このように、損失許容率20%のトレードは全体的にかなり高い勝率が要求されることが分かります。

また、ペイオフレシオを改善しても、その効果があまり見られないのもポイントです。

損失許容率10%

★画像挿入【alt:バルサラの破産確率表(損失許容率10%)】
balsara_gazou04

上の画像は、損失許容率10%の破産確率表です。

損失許容率10%というのは、資金が資金が100万円であれば負けトレードで10万円の損失が出るというサイズ感です。

損失許容率20%に比べればマシですが、負けたときのダメージはかなり大きくなると言えるでしょう。

とはいえ、損失許容率20%の表と比べてみると、明らかに破産確率が1%以下の領域が広がっているのが読み取れます。

ペイオフレシオが1の場合、破産確率が1%以下となっているのは勝率70%以上の領域です。

また、ペイオフレシオを2まで改善すると、破産確率が1%以下となる領域は勝率50%以上にまで広がります。

ペイオフレシオを改善することによる効果も、損失許容率20%の場合と比べて大きくなっていると言えるでしょう。

損失許容率5%

★画像挿入【alt:バルサラの破産確率表(損失許容率5%)】
balsara_gazou05

上の画像は、損失許容率5%の破産確率表です。

損失許容率5%というのは、資金が100万円であれば負けトレードで5万円の損失が出るというサイズ感です。

まだ少しリスキーな感じはしますが、これまでよりは随分マシになってきました。

この表では、さらに破産確率1%以下の領域が広がってきています。

ペイオフレシオが1の場合における破産確率が1%以下となる領域は、勝率60%以上まで広がっています。

さらに、ペイオフレシオの改善による効果も大きくなっており、ペイオフレシオを2.2まで挙げると、破産確率が1%となる領域は勝率40%以上まで広がっています。

損失許容率2%

★画像挿入【alt:バルサラの破産確率表(損失許容率2%)】
balsara_gazou06

上の画像は、損失許容率2%の破産確率表です。

損失許容率2%というのは、資金が100万円であれば負けトレード2万円の損失が出るというサイズ感です。

投資の世界では「損失は資金の2%以下に抑えるべき」という2%ルールが有名ですが、ちょうどその上限に当たる損失許容率です。

破産確率1%以下の領域に注目すると、ペイオフレシオが1の場合こそ破産確率が1%以下となっているのは勝率60%以上の領域と変わりませんが、ペイオフレシオが上昇するにつれて広がっていくのが分かります。

例えば、ペイオフレシオが1.2のときで勝率50%以上の領域、ペイオフレシオが1.8のときで勝率40%以上の領域、ペイオフレシオが2.8のときで勝率30%以上の領域という形です。

ペイオフレシオが上昇とともに、安全にトレードするために必要な勝率が下がっていくことが読み取れます。

損失許容率1%

★画像挿入【alt:バルサラの破産確率表(損失許容率1%)】
balsara_gazou07

上の画像は、損失許容率1%の破産確率表です。

損失許容率1%というのは、資金が100万円であれば負けトレード1万円の損失が出るというサイズ感です。

破産確率1%以下の領域は、トレード損益の期待値がプラスとなる領域のほぼ全域まで広がっています

表における破産確率1%以下の領域に注目してみると、損失許容率2%の場合から少しですがさらに広がっています。

例えば、勝率40%以上まで広がるのがペイオフレシオが1.6から、勝率30%以上まで広がるのがペイオフレシオが2.6からという形です。

損失許容率0.5%

★画像挿入【alt:バルサラの破産確率表(損失許容率0.5%)】
balsara_gazou08

上の画像は、損失許容率0.5%の破産確率表です。

損失許容率0.5%というのは、資金が100万円であれば負けトレード5,000円の損失が出るというサイズ感です。

ここまでくると、破産確率が1%以下となる領域にはほとんど変化がありません。

なお、損失許容率が大きければ大きいほど、トレード損益の期待値がプラスであっても破産確率が1%を上回ってしまう領域が増えていました。

しかし、損失許容率0.5%までくると、トレード損益の期待値がプラスのときに破産確率が0%、期待値がマイナスのときに破産確率が100%という状態にかなり近づいています。

2%ルール

2%ルールとは、様々な書籍の中で紹介されている、投資の世界において非常に有名なトレードルールです。

2%ルールに触れている書籍には、例えば『投資苑』『ラリー・ウィリアムズの短期売買法』『マーケットの魔術師』などがあります。

優れたトレーダーが実践していたルールでもあることから、リスクを抑えながら高いリターンを目指す上でのバランスの良さがうかがえます。

確かに損失許容率ごとの破産確率表を比較してみても、一定のリターンを狙えるサイズ感でありながらも、破産確率1%以下の領域が十分に広がっていることが感じられるのではないでしょうか。

損失許容率を下げると破産しにくくなる

★画像挿入【alt:損失許容率の特徴】
損失許容率を下がると破産率が下がり、利益も減る。損失許容率を挙げると破産率が上がり、利益が上がる。ということを表現した図表をお願いします。その上で、バランスの良い損失許容率を選択しようね的なニュアンスまで出してほしいです。

損失許容率ごとの破産確率表を見て分かるのは、損失許容率が下がっていくと破産確率1%以下の領域が広がっていくことです。

つまり、損失許容率が低ければ破産せずにトレードできる勝率とペイオフレシオであっても、損失許容率が高くなると破産してしまうことがあるわけです。

そのため、自分の勝率とペイオフレシオを踏まえて、破産しにくくなるような損失許容率を見極めることが大切となると言えるでしょう。

とはいえ、損失許容率が低くなると、得られる利益も少なくなってしまいます。

破産確率を低く抑えられる中においては、できるだけ高い損失許容率にすべきとも言えます。

破産確率表を使って、自分にとってバランスの良い損失許容率がどのぐらいなのかを、ぜひ確認してみてください。

トレードに活かすための考え方

バルサラの破産確率表について細かく見てきたので、これを実際のトレードに活かしていく流れについても触れておきたいと思います。

ポイントは以下の3点です。

  • 損失許容率に合わせて取引数量を調整する
  • ペイオフレシオを意識して指値/逆指値を設定する
  • 必要な勝率を上回ることを意識する

では、それぞれ細かく説明していきます。

損失許容率に合わせて取引数量を調整する

自分に適した損失許容率が決まれば、1トレードにおける損失額も自動的に決まります。

仮にトレードが負けに終わった場合には、この損失額となるようにトレードを進めていくことが大切です。

損失額は、以下の計算式で決まります。

★画像挿入【alt:損失額の計算式】
損失額=損切り値幅×取引数量

損失額=損切り値幅×取引数量

損切り値幅については、毎回一定値幅の逆行があれば損切りするようにしている人もいれば、その時々の相場状況に応じて損切り値幅を変える人もいるでしょう。

いずれにせよ、負けた場合の損切り値幅はエントリーする時点で決まっているはずです。

つまり、損失額と損切り値幅はあらかじめ分かっているわけなので、そのトレードにおける最適な取引数量も自動的に決まるということです。

★画像挿入【alt:取引数量を決める流れ】
balsara_gazou09

例えば、資金100万円からトレードをスタートした場合で、自身の手法の特性を踏まえて損失許容率を2%に決めたとします。この場合、損失額は2万円となります。

このとき、米ドル/円のトレードで損切り値幅を50pips(0.5円)とした場合、自動的に取引数量は2万円÷0.5円=4万通貨と決まるわけです。

このように、バルサラの破産確率表における破産確率を実現するためには、損失許容率に基づく損失額となるようにトレードを進めていくことがポイントです。

そして、これは取引数量をコントロールすればいいだけなので、誰にでも簡単に実践可能だということも頭に入れておきましょう。

ペイオフレシオを意識して指値/逆指値を設定する

破産確率を低く抑えるためには、自分が設定したペイオフレシオを守ることが欠かせません。

そのため、このペイオフレシオを守るような形で、トレードにおける利食いライン(指値)と損切りライン(逆指値)を設定することが大切です。

★画像挿入【alt:ペイオフレシオからエントリーするか判断】
balsara_gazou10

まずは、相場の状況から利食いラインと損切りラインの両方を設定できるケースを考えてみましょう。

この場合、上の画像のように仮に目標のペイオフレシオを明確に下回ってしまうような場合には、そのトレードは見送った方がいいでしょう。

★画像挿入【alt:ペイオフレシオから利食いラインを設定する流れ】
balsara_gazou11

また、上の画像のように損切りラインまたは利食いラインの一方が決まるようなケースでは、目標のペイオフレシオから逆算して、もう一方のラインを設定することができます。

しかし、この形で設定したラインが不利な場所に位置する場合(例:利食いラインが重要な抵抗ラインの上に位置してしまうなど)には、やはり無理にトレードをするべきではありません。

利食いラインと損切りラインもトレーダーが自由に設定できるので、ペイオフレシオをコントロールすることは十分可能です。

個々のトレードにおいてペイオフレシオをしっかり意識しながら、目標の数値を上回れるようにトレードを進めましょう。

必要な勝率を上回ることを意識する

破産確率を抑えるためには、自分が設定した勝率を上回ることも必要です。

トレードでは目標のペイオフレシオを上回るように利食いラインと損切りラインすることを説明しましたが、その際にどの程度の勝率が期待できるかを併せて意識するようにしましょう。

★画像挿入【alt:ペイオフレシオと勝率の関係】
以下で説明しているペイオフレシオと勝率の関係を図表化してください。

上の画像はペイオフレシオと勝率の関係を示していますが、ペイオフレシオと勝率には逆相関があります。

例えば、ペイオフレシオの条件を満たすために、無理に利食いラインを離したり損切りラインを近づけたりすると、勝率は下がってしまうわけです。

ペイオフレシオのコントロールは大切ですが、その際には勝率のことも考慮に入れなければなりません。

相場状況によっては、無理をせずにトレードを見送る判断も必要となるでしょう。

★画像挿入【alt:バックテストの必要性】
バックテストっぽいイメージ図をお願いします。(デジタルな感じをイメージしています。)

他の損失許容率やペイオフレシオと違い、勝率はトレーダーの意思通りにコントロールするのが難しいところがあります。

エントリー時点で、このトレードの勝率は何%だと正確に言い切ることが難しいからです。

ただし、バックテストを重点的に行っていけば、トレードの条件ごとにある程度の精度で勝率は見えてくると思います。

勝率を見極めるという意味でも、バックテストを通じてトレードの検証をしっかり行うことは非常に大切と言えるでしょう。

バルサラの破産確率の注意点、懸念点

バルサラの破産確率は、自分のトレード方針を固めていく上で非常に有用な概念です。

しかし、バルサラの破産確率を意識していれば絶対に破産することがないとは、残念ながら言い切ることはできません。

ここでは、バルサラの破産確率の限界とそれに対応する考え方について説明していきます。

過去の勝率が将来も続くとは限らない

★画像挿入【alt:勝率低下による破産確率への影響】
損失許容率とペイオフレシオ、勝率で破産確率が決まることを図表で示した上で、勝率が低下すると破産確率が上昇することを示してください。

バルサラの破産確率は、上の画像で示しているように損失許容率とペイオフレシオ、勝率が決まっていることを前提に計算されています。

しかし、このうち特に勝率に関しては、トレーダーがコントロールできないことがあります。

基本的にトレーダーは、バックテストやトレード実績を通じて、自分が使用する手法の勝率を把握することになるはずです。

これらは全て過去の相場に基づく勝率ですが、その勝率が将来も維持されるには、過去の総傾向が将来においてずっと続くことが必要となります。

しかし、相場には変化がつきものであり、過去の傾向が将来の相場においてもずっと続くという保証はどこにもありません。

そのため、相場が変化してしまえば、想定した勝率が実現されないことがあるわけです。

もし想定していたよりも低い勝率となってしまった場合には、破産確率も想定よりも高くなってしまうことになるでしょう。

★画像挿入【alt:損失許容率=2%、ペイオフレシオ=2のときに勝率が40%から30%に低下したときの破産確率の変化】
損失許容率=2%の破産確率表を使って、上記の変化を強調してください。

上の画像は、損失許容率2%の破産確率表です。

例えば損失許容率が2%、ペイオフレシオが2の場合、勝率が40%から30%に低下すると、破産確率は0.01%から100%にまで一気に跳ね上がります。

このように、状況によっては破産確率が急上昇することもあることには注意しておきたいところです。

最大の敵は自分自身?

★画像挿入【alt:自分自身に勝つ】
自分自身に勝つということがイメージできるような絵をお願いします。

相場の傾向が変わるリスクを紹介しましたが、相場の傾向が変わらなくても破産する可能性はあります。

それは、自分が設定したトレードルールをそもそも守れなかった場合です。

そうなると、想定した損失許容率やペイオフレシオ、勝率から外れていってしまうことになるので、破産が近づくことになるでしょう。

当然と言えば当然のことですが、これは退場の原因となりやすい大きな要素と言えます。

なぜなら、人間の性質上、投資においては何が得で何が損かという判断を冷静にできなくなりやすく、不利な選択をしやすいところがあるからです。

これは「認知バイアス」と言われる心理現象で、ある意味では破産を招く最大の敵と言えるかもしれません。

なお、このテーマついては、以下の記事でも詳しく解説しています。興味のある人は、ぜひチェックしていただければと思います。

将来の勝率低下に備えよう

★画像挿入【alt:トレード記録をつけるトレーダー】
ノートなどに記録をつけるトレーダーのイメージ図をお願いします。

破産を避けるためには、前提となる損失許容率とペイオフレシオ、勝率を維持することが大切です。

もし何らかの理由で将来にこの3つの要素のいずれかが崩れてきた場合には、トレードを見直す必要が出てきます。

ここで大切なのが、3つの要素のいずれかが崩れてきたことを、適時に把握できることです。

そのためには、自分のトレード実績をきちんと記録をした上で、定期的に見直す習慣を身に付けることをおすすめします。

豆知識

バルサラの破産確率表を見て、トレード損益の期待値がプラスのときにも破産する確率があることについて、不思議に感じる人がいるかもしれません。

この傾向は損益許容率が大きいとより顕著になり、結果として損失許容率が大きいと破産確率1%以下の領域が狭くなります。

これは、損失許容率が大きいほどちょっとした連敗で大きく資金が減ってしまうことが原因です。

★画像挿入【alt:期待値がプラスでも破産するケース】
balsara_gazou12

上の画像で示しているように、トレードを進めると資金は期待値(緑ライン)を中心に推移していきますが、損失許容率が大きいと上下動が激しくなりやすく、一気に資金がゼロまで減りやすくなるわけです。

例えば、ペイオフレシオが1で勝率が60%の場合、トレード損益の期待値は1×60%+(-1)×40%=0.2ということでプラスになります。

しかし、例えば損失許容率が20%であれば、スタートからいきなり5連敗すれば資金はゼロとなります。

また、スタートで1勝してもそこから6連敗が発生すれば、同様に資金はゼロになります。

このように、期待値がいくらプラスであっても破産する可能性は十分にあり得るわけです。

バルサラの破産確率表を見てみると、このケースでの破産確率は13.17%になっていますね。

こんな形で、実際のトレードをイメージしながら考えてみると、破産確率のイメージがわきやすくなるのではないでしょうか。

原著における破産確率表

バルサラの破産確率表は、1992年にナウザー・バルサラが出版した『Money Management Strategies for Futures Traders』の中で紹介されたものが基になっています。

この基のバルサラの破産確率表は以下のような形でした。

★画像挿入【alt:原著の破産確率表】
以下の画像は他サイトからの転載になるので、同じような表の画像化していただけますでしょうか。
https://ryota-trade.com/wp-content/uploads/2018/05/WS000574.jpg

■引用:ナウザー・バルサラ『Money Management Strategies for Futures Traders』p.18を基に作成

上の画像で示した確率表は、資金が1ドルの状態から、損失額1ドル(損失許容率=100%)となるようなトレードを続けた場合の破産確率を示しています。

また、縦軸は勝率で、横軸はペイオフレシオです。ペイオフレシオは1~10の整数となっており、値がかなり大きいですね。

原著ではこの他にも、資金2ドル、資金3ドル、資金4ドル、資金5ドル、資金10ドルで同様のトレードを行った場合の、破産確率表を掲載しています。

ちなみに、それぞれ順番に損失許容率は50%、33.33%、25%、20%、10%となる形です。

現在よく見られる破産確率表は体裁が大きく異なっていますが、例えばペイオフレシオを細かく表示するなど、この原著を基にして使いやすく加工されているわけです。

用語

  • バルサラの破産確率表
  • 損失許容率
  • 勝率
  • ペイオフレシオ(リスクリワードレシオ、損益率)
  • 利食い
  • 損切り
  • 期待値
  • 2%ルール
  • 取引数量
  • バックテスト
  • 認知バイアス

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